店長ブログ

お盆と印鑑

2025.08.08

こんにちは!
愛知県名古屋市にあるはんこ屋(印鑑)の日之出堂です。

今日はお盆に考える「印鑑」の意味と家族のつながりについて書きます

8月に入り、日本各地ではお盆の準備が始まります。お盆は、先祖の霊を迎え、感謝の気持ちを伝える大切な時期。家族や親族が集まるこの機会に、普段はなかなか話すことのない「家」や「伝統」、「つながり」について改めて考える人も多いのではないでしょうか。

そんな中で、ふと思い出したのが「印鑑」という存在です。日常生活では契約書に押すだけの道具、事務的なツールとして扱われがちな印鑑ですが、実はお盆という日本文化の背景の中で考えると、その意味はとても深いものがあります。

印鑑と家族の歴史

「印鑑」とは単なるスタンプではありません。日本では長年、個人や家を象徴する「しるし」として使われてきました。特に「実印」は、その人がその人であることを法的に証明する重要な存在です。銀行口座の開設、不動産の売買、遺産相続など、人生の節目で使われることが多く、時には家族の絆や信頼の証として用いられることもあります。

お盆の時期に実家へ帰省すると、家族が一堂に会し、久しぶりに「家」について話す機会があります。遺産のこと、土地のこと、将来のこと…。そんなとき、印鑑の存在がふと話題にのぼることもあるでしょう。古い印鑑を見つけて、「これはおじいちゃんのだね」と懐かしむこともあるかもしれません。

デジタル時代の今、なぜ印鑑が残るのか

近年、電子署名やデジタル契約が普及し、「脱ハンコ」が進んでいます。便利さ、スピード、セキュリティ面から見ても、印鑑に代わる手段は増えてきました。しかしそれでも、印鑑は完全に消えることなく、今も多くの場面で使われています。

それはなぜでしょうか。

一つには、「手のぬくもり」があるからかもしれません。紙の書類に自分の手で印鑑を押すという行為には、単なる作業以上の意味があります。自分の意思を込めて、責任を持って、その場に立ち会う。その瞬間を形に残す行為が、印鑑にはあります。

また、家族にとって印鑑は、代々受け継がれる「家の象徴」でもあります。名字が彫られた印鑑には、先祖から続く血のつながりや歴史が刻まれているのです。

お盆に「印鑑」を見直してみる

お盆は、目に見えない大切なものに思いを馳せる時期です。先祖のこと、家族のこと、そして自分自身のルーツ。

この機会に、自宅にある印鑑を見直してみるのはいかがでしょうか? 自分が普段使っている印鑑はどんなものか、いつ作ったのか、何に使ったのか。そして家族の印鑑にはどんな歴史があるのか。

印鑑を通して、家族との思い出や、大切な場面での記憶がよみがえるかもしれません。

最後に

印鑑は、今も日本の文化の中で生き続けている小さな「しるし」です。デジタル社会の中でも、心を込めた行為としての価値は決して色あせません。

お盆という家族のつながりを感じるこの時期に、「印鑑」という存在にもう一度目を向けてみる。そこには、日本人としてのアイデンティティや、家族の温かさを再認識するヒントが隠されているかもしれません。

日之出堂のお盆休みは8月15日です
印鑑のご相談、お気軽にお申し付けください。
日之出堂 店主